グランプリアーカイブ

2015年 アマチュア部門

最終審査結果

2015年のアマチュア部門は、世界12の国と地域からデザイン画7,295点の応募があり、
その中から7月1日の一次審査で選ばれた24点の実物作品が制作されました。
9月12日には、本人によるプレゼンテーションで最終審査会が行われ、
その結果は、10月14日にショー形式で披露され、各賞が授与されました。
32回目を迎えた今回も、2016春夏コレクションを発表するMBFWT会期中の渋谷ヒカリエ ホールAにて、立ち見が出るほどの盛況ぶりで、バイヤーやプレスへのアピールはもちろん、SNSを通していち早く結果が配信されました。

大賞

岡村 紗衣
おかむら さえ

名古屋モード学園
テーマ:「爆笑」

笑いたい、笑わせたいという気持ちはとても美しい。友人の変顔からインスピレーションを受け、変顔をカラフルなニットで立体的に表現。思わず爆笑してしまうような、とびきり楽しい服を目指した。


優秀賞

水上 誠二郎
みずかみ せいじろう

文化ファッション大学院大学
テーマ:「WILL」=意志

最近のコーディネートに見られる、本来インナーとして着られるアイテムがアウターの上に着られるコーディネートから、インナーが意志を持ち、アウター表面に姿を表した様を、ストレッチ素材とハリのあるウレタンで表現。


  • 秀作賞

    横田 匠
    よこた たくみ

    文化服装学院
    テーマ:「0」

    激動の時代を生き抜き零戦を作りあげた堀越二郎。好きな物が時代によって引き裂かれた戦争の時代と現代の大量消費社会の服のあり方は重なる点があるのでは?色を削ぎ落とし素材使いで衣服にニュアンスを生ませた。

  • 水町 孝浩
    みずまち たかひろ

    マロニエファッションデザイン専門学校
    テーマ:「POLYGON」

    デジタルの花に覆い尽くされ、やがて「人工的な結晶化」を引き起こす。無機質から生まれる有機的な3Dフォルムを表現する。90sに流行したTVゲームのポリゴングラフィックからイメージしたデザイン。

  • 櫻井 拓美
    さくらい たくみ

    文化ファッション大学院大学
    テーマ:「Nude Deco」

    ヌードデコというテーマの元、有機的な美と無機的な美の邂逅をコンセプトに作品を製作。衣服を拡張した体・第二の皮フと捉え、パターンに即したアールデコ調の柄を様々な素材に異なるポリテープで圧着した。

  • 中嶋 寧々
    なかじま ねね

    文化学園大学
    テーマ:「ダ・ヴィンチを着る」

    ダ・ヴィンチを着る。このテーマにしたのは、ダ・ヴィンチから感じる力を服として表現したいからである。レオナルド・ダ・ヴィンチの「シンプルさは究極の洗練だ。」という言葉を基にデザイン、素材選定、制作をした作品。

  • 李 燦雨
    い ちゃんう

    東京モード学園
    テーマ:「COLLAR FANTASIA 衿の演奏曲」

    台襟シャツは古代ローマから現在までの歴史を持っていて、クラシックなフォーマルからストリートカジュアルまで台襟シャツが抜かれる事はない。それは台襟シャツは無変の最も美しい物だからだ。それでこの服を産んだ。

審査員の講評

アマチュア部門審査員長
ファッションデザイナー・田山淳朗氏


今回の一次審査では、5人の審査員で7,000点を超えるデザイン画を、公正に審査させていただき25点に絞り込みました。また、最終審査会では、選ばせていただいたデザイン画の実物作品をモデルに着用してもらい、プレゼンテーション形式で審査させていただきました。
最終選考に残った作品は、どれも甲乙つけがたく、選ばれなかった作品には「本当にごめんね」といいながら審査させていただきました。
入賞した方々の作品は、デザイン画に意外性があり、フォルムが非常に個性的でありながら今というものを感じさせていました。
また、自分の気持ちをストレートに表現していて、楽しくポジティブな気持ちで制作された様子が伝わってきて良かったと思います。
グランプリ取った方、そうでない方の点数には大きな差がありませんでした。そのくらい素晴らしい作品が揃ったということです。
日本のファッションシーンの中で、一番エキサイティングな服作りをしているのがみなさんだと思います。
そういう意味で、尊敬の気持ちを持っています。
素晴らしい作品をありがとうございました。
日本には、たくさんのコンテストがありますけれども、そのコンテストに向かって、多くの若い人たちが一生懸命挑戦してきます。
その情熱や経験、目標にしてることが、日本のファッションを支えていると思います。
そういう意味では、コンテストの火が消えるときが、日本のファッションのクリエーションの火が消えるときかもしれないと思います。
みなさん、本当におめでとうございます。
素晴らしい作品でした。

一次審査結果

2015年7月1日、繊維ファッション産学協議会、一般財団法人日本ファッション教育振興協会、東京ファッション・ビジネス活性化実行委員会は、(学)文化学園(東京都渋谷区)で、「2015 Tokyo 新人デザイナーファッション大賞アマチュア部門」一次審査を行い、9月に予定されている最終審査に進む25点のデザイン画を選出しました。
2015年は、世界12の国と地域の大学・専門学校の学生から7,295点のデザイン画が寄せられ、テーマの表現力、デザインの独創性と先進性を基準に5名の審査員により選出しました。

アマチュア部門

氏名
学校
カテゴリ
赤羽 健
名古屋モード学園
WOMEN’S
李 燦雨
東京モード学園
WOMEN’S
大河原 麻央
上田安子服飾専門学校
MEN’S
大樋 幸奈
文化服装学院
WOMEN’S
岡村 紗衣
名古屋モード学園
WOMEN’S
樫本 さくら
マロニエファッションデザイン専門学校
WOMEN’S
金山 恒樹
マロニエファッションデザイン専門学校
WOMEN’S
坂根 春菜
大阪文化服装学院
WOMEN’S
櫻井 拓美
文化ファッション大学院大学
WOMEN’S
篠崎 祐太
東京モード学園
WOMEN’S
清水 かな江
ディーズファッション専門学校
MEN’S
Jiamin Li
University of Technology Sydney
WOMEN’S
瀬口 由実子
愛知文化服装専門学校
MEN’S
土居 賢哲
文化ファッション大学院大学
WOMEN’S
中嶋 寧々
文化学園大学
WOMEN’S
長田 明恵
上田安子服飾専門学校
WOMEN’S
永渕 光
東京モード学園
WOMEN’S
原田 紗季
愛知文化服装専門学校
WOMEN’S
福地 裕也
文化服装学院
WOMEN’S
布施 咲奈
大阪文化服装学院
WOMEN’S
水上 誠二郎
文化ファッション大学院大学
WOMEN’S
水町 孝浩
マロニエファッションデザイン専門学校
MEN’S
山田 龍之介
文化服装学院
MEN’S
山本 月香
名古屋モード学園
WOMEN’S
横田 匠
文化服装学院
WOMEN’S

審査員(敬称略)講評

田山淳朗(A.T ATSURO TAYAMA デザイナー) / 審査員長

応募いただいたデザイン画を見ると、等身大のところから発想しているリアルに着ることができるデザイン画と、頭の中で考えた構築的なクリエイティビティを想像させるデザイン画の、大きく二つに分類されます。
どちらにも共通していることですが、ここ2~3年、素材という要素が大変重要になってきており、今回も素材に面白さのあるデザイン画が多く選ばれたと思います。

研壁宣男(Support Surface デザイナー)

力作揃いだったと思います。落選された作品も力作が多く、選出にあたっては心を痛めました。
気になったことは、ファッションというよりは、どちらかというと衣装アートのコンペティションのような雰囲気が漂っている作品が目立ち、私が学生の頃とあまり変わってないなと感じました。
最終審査で実物を見るのが楽しみです。

髙島一精(Ne-net デザイナー)

今回は、選びたくなるような作品が多かったので、セレクションに苦労しました。
応募者の中には、ひとりで10枚20枚と描いている人もいて、そのこと自体は目立つし努力もされたのでしょうが、一次審査通過レベルといえるものが見つからず、力のいれどころが違っていて、もったいない印象を受けました。

青木規子(繊研新聞記者)

粗選(あらよ)りの段階から絞り込んでいくにしたがい、残ったデザイン画が立体になるとどうなるのだろうかと、楽しみながら審査することができました。
やはり素材が重要になってきているように感じますね。また審査にあたっては、着られるということを考えずに、服の強さというものに着目して審査することが出来る作品が多かったように感じました。
一方、女性らしい服も増えてきていて好印象を受けましたが、中にはアニメチックなものや子供っぽいものなどもあり、日本らしさなのでしょうが、格差のようなものを感じてしまいました。

児嶋幹規(装苑編集長)

昨年もこの場で、数を描けばいいのではないとお話したのですが、多くのデザイン画を出された学生さんの作品は、個性や創造力があまり感じられませんでした。
たくさん出されたデザイン画は、頭の中で考えたのではなく、モニターの中で考えたのではないかと感じたものが多かったです。 また、見たことがあるようなデザイン画も多かったのですが、そういった人たちは過去に賞をとった作品を参考にしてデザイン画を描いているのではないかと思います。
過去の入賞作品を参考にするのは、悪いことではないのですが、オリジナリティを感じられないのでは困ります。それを超えるものを描くくらいの伝えたいものなり、個性をどう表現していくかが大変重要だと思います。


デザイン画を選ぶ審査員 左から、デザイン画の審査をする髙島、児島、研壁、田山、青木の各氏。
会場は東京・渋谷区の(学)文化学園20階ホール。